心の番人

「心の番人」

元気かい?
また会いに来たよ。
なんとなく、呼んでた気がしたから。

ホントに久しぶりだな。
身体ばっかり大きくなって。
心は変わってないかい?
変わってないといいんだが。

どうしたんだい?
悩み事があるなら、全部吐くといい。
出来ないのなら、
頭の中にたまったダムの扉を
僕の手で開いてみせるよ。

君の事が分かってないとでも思っているなら
教えてあげるよ。
「気付かなかったのかい?
君の中でずっと眠ってた気持ち。

僕はその気持ちを閉じ込めた
心の部屋の番人とでも言っておこうか。

部屋はもういっぱいなんだ。
いつあふれ出すか分かりやしない。」
その事を伝えにもう一度ここに来たんだ。

手紙や電話じゃ効きそうにないから、
直接会いに来たって訳だ。

心の部屋に溜まった言の葉にあて先はあるのかい?
あるなら届けにいってくれよ。
本当の気持ちを伝えればいいじゃないか。
それともちゃんと理由があるのかい?

震えてるんだ。
君が震えれば僕も。

話を聞く必要がありそうだな。
まあ、こっちに来てごらん。
ねえ。
言葉の壁はいとも簡単に崩れるって知ってた?
だって、こうして抱きしめるだけでも
手にとるように気持ちが分かるんだ。

まだ少し震える腕も濡れた頬も、
全部暖めてあげるよ。
君は一人なんかじゃない。

僕がいるじゃないか。

逃げるなよ。 
逃げるなら何処までも追いかけてやる。

君を一人になんかしない。

周りの目なんか気にするな。
君の世界は君だけのもんだ。
またそうやって強がる気かい?
また頭のダムが溜まっていくぞ。
心の部屋ももう入りきらないぞ。

ため息は聞き飽きた。 
そろそろ笑顔が見たいな。

少しずつ減らしていこう。
少しずつ減らしていこう。

僕も手伝うから。
楽になったら教えてくれ。
また番人の仕事をしなくちゃいけないからね。

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